芽衣の恋愛論
映画館の椅子に座ったら3ヶ月くらい前にサトル君と来たこと思い出した。
あの映画観てから恋しようって動き出したのに。
成果がないな。
あの時サトル君は私のこと好きだったのかな…。
ライブの時も…
ラブソング、私を思って唄ってたとか…?
キャッ、恥ずかしい。
けどそうだったら嬉しいかも。
ん?
ちょっと待って。
瞳ちゃんは?
彼女じゃないの?
瞳ちゃんのことを思い出したらモヤモヤしてきて確認しなきゃあの告白は無効だな。
そんなこと考えているうちに本編が始まった。
ホラーなんて殆どみないのに。
みたら、みてられない。
でも観ていた。
平気なふりして観ていた。
隣の零次君を見たらポップコーン食べながら、ジュース飲んだり。
私の視線に気づいてポップコーン差し出してくれた。
私はポップコーンを口に放り込んだ。
「怖くないの?」
耳元で聞いた。
「ホラー好きだから。」
零次君は小声だけど明るく答えてくれた。
映画の趣味は合わないな~。
と思った。
やっと映画が終わると零次君は晴れやかな顔をしている。
私はどっと疲れた。
時計を見ると0時過ぎていた。
私たちはまっすぐ帰宅した。
零次君に車で送ってもらった。