芽衣の恋愛論


「慣れてないの?」

私は聞き返す。


サトル君は照れ臭そうにしてたけど真面目な顔して

「うん、今だってどうしていいかわかんない。」


と言った。


あたしの頭の中はクエスチョンマークでいっぱいになった。


「芽衣」




「はい。」




「手でも繋ごうか。」




そう言ってサトル君はあたしの右手を取った。

サトル君の体温が伝わってくる。

触れていたい。
体温を感じていたい。

恋って付き合うってこういうことなんだなと初めてわかった気がする。


私はサトル君を見てニコニコ笑顔になった。
サトル君も笑い返した。


あたしたちは同じこと考えてるのかも。


車に乗って繋いだ手を離してしみじみ語った。

「触れてると安心する。」

「運転中、手は繋げないけど、どこでも触っていいよ。」


サトル君はそう言ってくれた。


優しいサトル君の言葉に心が満たされていくようだった。




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