芽衣の恋愛論
「疲れた?タクシー乗る?」
「大丈夫。」
歩くと20分くらいの距離。
「店からタクシーで帰ろうと思ってたんだけど。タイミング逃しちゃって。こんなとこタクシーあんまり通らないし。」
「ごめんなさい、あたしのせいで…。」
コーヒーのお陰か幾分気持ちが落ち着いて言えた。
「別に責めてないし。」
サトル君の表情も柔らかくなったみたい。
いつもあたしには笑顔見せてくれないのに。
「じゃあ行こうか。」
サトル君は歩き出した。
今度は手を取ってくれなかった。
あたしから手を繋ぎにいった。
サトル君は驚いてあたしを見た。
「ダメ?」
あたしが聞いた。
「ダメじゃないけど…。」
「今日だけ。こうしてると安心する。」
あたしが言うとサトル君は
「じゃあこうして。」
と言って繋ぎ方を変えた。
貝殻繋ぎと言うらしい。