芽衣の恋愛論







「私、男の子と手を繋いで歩くの初めてかも…。」






「え!マジで!?」


非常に驚いた様子のサトル君。



「多分…初めて。記憶にないもん。」




そぉいえば手を繋いだことなかったな。







「あ、そうだ。合コンは楽しかった?」





「まあまあ。収穫はないけど。でもコツは掴めた気がする。」





あたしが答えると、サトル君はプッと吹き出した。



「コツなんかあんの?合コンのコツって何?」


サトル君は可笑しそうに笑いをこらえてるみたい。




でもとうとう、手を繋いでないほうの手でお腹をかかえて笑いだした。



その姿を見てあっけに取られた。




「そんなに面白い?」


何か面白いこと言ったかな?
サトル君はこちらを見て、

「ごめん。笑いすぎた。」


と、笑いながら言った。





「サトル君もそんなに笑うことあるんだね。」


私は笑ってるサトル君をみて嬉しくて言った。


でもあたしの言葉にサトル君は笑うのをやめて姿勢を正して歩き出した。



その様子が理解できない。

(なんだか打ち解けたらダメみたい)


そんな感じがしてしまう。



悲しくなって、また気まずい空気に逆戻り。



手を繋いでるのが不自然に思えてきた。



「あのさ、」


サトル君が話かけた瞬間私の携帯が鳴り響いた。



私はサトル君の手をスッと振りほどいて携帯を見た。




「あ、由宇君からだ。」




< 67 / 226 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop