三角形(仮)



「礼子さんすいません、お待たせしました。失礼します」





8番テーブル、30代後半位の女社長。


最低でも週2回は店に来て、大金を落として頂く客だ。





ヘルプのアツシと入れ代わる。





「清人やっと来たわね。待ちくたびれちゃったわよ」


席に座るなり、俺の左腕に自分の右腕を絡め、肩に頭を置いてくる。


「もう酔ってるんですか?」


礼子さんは普段、自分から甘えたり、ベタベタ触れてくる客ではないのだ。


「酔ってないわ。久しぶりに清人に会えたから。」


「嬉しいお言葉有難うございます」


「よし、今日はじゃんじゃん飲みましょ。ピンク入れるわ!」


「本当に酔ってませんか?」

顔を近付けて、心配そうな表情を作る。


「大丈夫、酔ってないわ」


その言葉を聞き、近くにいたボーイを呼ぶ。


「ピンドンで」


『8番テーブル礼子様よりピンドン入りましたー』


ボーイの声がマイクを通し室内に響き渡る。


あちこちの席にいたホストが8番テーブルに集まりだす



ピンドンコールを始めたホスト達に囲まれ、俺は運ばれたピンドンを一気で飲む。






俺は元々酒が強い体質で、一気飲みも苦にはならない。
ホストとしては恵まれている。



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