完全秘密主義恋愛♥


「なかなかでしょ。みんなの衣装もあるからこっち来て」

「マジ!?」
「どんなの?」

宝は自然な流れで話題を変えて、3人を引き連れて教室から出て行った。


助かった…。

ほっと胸を撫で下ろした。


緊張すると、上手く喋れないんだよね…。


だけど…。


あたしは窓の外に映る街を眺めた。

遠く離れた空に飛行機がまっすぐな白い線を蒼に残して飛んでいるのが見える。


…嬉しかった。


『可愛い』って言ってもらえて。


宝はともかく、クラスの子と普通に会話が出来て。



小さい頃から、初対面の人のあたしに対する第一印象。


『まじめそう』


その印象の通り、まじめではあったけど。


その『まじめそう』な印象が作る、目に見えない他の子たちとの壁が

ずっと自分のコンプレックスだった。


周りの子に話しかけても、一線引いた空虚な会話しかしてもらえない。


空しい。


そんな感情を、わずか4歳のころには理解していた。



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