完全秘密主義恋愛♥
「いっぱい喋れるといいね」
あたしがナッキーに言うと、ナッキーは頬をピンクに染めてゆるゆるっと笑った。
ナッキーと安藤は、このときまだ付き合ってはなかった。
ナッキーの片想い。
ナッキーが笑う顔が見たくて、自分の感情を殺して応援する覚悟だった。
だいたい、あたしとナッキーじゃあ、あたしが負けるのなんて目に見えてたし。
だから、ナッキーを応援することで安藤への気持ちにケリをつけようとしてた。
「あ、そーだ。ひのぉ、今日は髪巻いてっちゃえば?絶対カワイイよー!」
ナッキー、なんてこと言うの。そんなことしてバレたら推薦もらえないじゃないの。……ってそんな顔されたら断れるワケないじゃん!分かってるかな分かってやってたら確信犯だよ。
あたしはひとり心のなかで涙しながらナッキーにされるがままになった。
あぁ、推薦……。