完全秘密主義恋愛♥
「瑆乃、撮ってあげる」
宝があたしに手を差し出した。
「…うん」
そっと宝の手にカメラを渡した。
宝が少し離れてカメラを構えた。
他人を撮るのは、楽しい。
被写体になる彼らは本当に楽しそうに笑っていて、可愛くて、かっこよくて…。
でもあたしは、カメラを前にすると無意識に顔が強張るんだ。
『可愛くない自分なんかが』って、思ってしまって。
「笑えよ」
頭に手が乗り、髪をくしゃっと掻き回した。
見上げると、安藤がニヤッと笑った。
ドクン、と心臓が鳴る。
バカ、彼女持ちが何笑いかけてんのよ。
何でか目が熱くなった。
あたしは前に向き直って、必死に頬の筋肉を吊り上げた。
「ぶッ、ちげーよ。こうだって」
安藤の声がしたと思ったら、突然、横腹にゾワゾワという感触がした。