完全秘密主義恋愛♥


あたしとナッキーが話す場所に決めたのは、図書館のベランダだった。


ベンチと屋根があって、天気がいい日は読書には最適な場所。


あいにくかラッキーか、今日は台風が近付いているため空には灰色の雲がたちこめ、湿気がひどい。


ベランダに人はいなかった。



ベランダに出るドアを開けると、湿った生ぬるい風が2人を包み込んだ。


ナッキーはベンチの汚れをかるく手で払って座った。

あたしもそれに続く。



ナッキーは空を見上げると、眉がきれいに八の字に下がった。

今日は写メろうとは思わなかった。


「台風…来ちゃうよね…」

風の音で聞こえにくいけど、そう言ったのは分かった。


「…うん……」


「あのね…」


ナッキーは恥ずかしそうに目を伏せた。




本当に、聞かなければよかった。




「……このあいだ、瑆(ひかる)にベロチュー……されたんだ……」





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