完全秘密主義恋愛♥


「あーでも普通はTPOって注意したりするときに使うけど、この場合は違うからね。TPOによって恋が成就するかしないかが決まるっていうことが言いたいの」

ふーんそういうことかー。

あたしが一人納得しているとき、宝がニヤリと良からぬことを考えている笑みをこぼしたことに、あたしは気付かなかった。



「ふぅ、じゃあそろそろ帰りますかね」

「うん」


そして、あたしたちは再び豪雨のなか家路についた。


やっぱり宝に話して良かった……。

学校を出て1分もたたないうちに裸足で歩いているようにぐっちょりなった靴の気持ち悪さも何だか楽しかった。


「瑆乃!」

宝が雨の音に負けないように叫んだ。

「文化祭、楽しみね!」


「…?…うん!」


深く考えずに答えた。

まぁ、露店とかあるしね。まぁ楽しみといえば楽しみだ。



ほどなくして、住宅街の十字路にさしかかった。


あたしは右。宝はまっすぐ。


「じゃあ、明日」

「うん、明日」


そうしてあたしたちは別れた。


「さーて、何着せようかな~」

という宝のつぶやきは秋の雨の中に消え入った。

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