恋愛模様


――――――――――☆


『ふぁ〜、眠』


大きなあくびをしながら廊下を歩けば地味な女が目に入った


そいつは1000ページを絶対に越しているであろう本を胸に抱えてこちらに走ってきている・・・


今時……あんな奴居るんだな


真面目に勉強だけしてきましたってタイプの奴……


この学校はお金持ちとか有名人とかがコネで入ってくるから、なかなか一般人は入らないんだけど……


ってか、この学校に一般人が居るのかも謎だったけど……





………居たな、





女は俺の横を通り過ぎた


女は立ち止まる事なく一直線に進んでいく


俺の横を通るのに俺に見向きもしない女って…珍しい


……じゃなくて…あの女……





『苺の……匂い?』





ほのかに甘い苺の匂いに俺は首を傾げた


香水じゃない……


この匂いは………






――――俺の好きな匂い









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