妖魔05~正道~
捕まった瞬間、俺は死ぬ。

魔力発散ナイフを使ったとしても、捌ききれない。

『モード:神速』を用いても、後の事を考えれば、肉体的にも魔力的にも更なるピンチに陥るのは確かだ。

「ピンチをチャンスに、か」

ならば、今やらずにいつやるというのか。

俺の覚悟はすでに決まっている。

考えていると、俺は黒い手に掴まれ身動きが取れなくなる。

その間に、ハンスが俺に近づいてきており、叩ききろうとする。

「ロベリア!ジャスミン!俺はお前等を愛してる!だから、一つになる事は、怖くはない!お前等は、どうだ!?」

『私は王子様と共に存在する者、あなたがいなくなれば、私もいなくなる』

『姉さんと一つになるのは素敵ね。あなたが邪魔だけど、認めてあげる。だから、やるならやればいいんじゃない?』

後一歩で、真っ二つにされる。

「行くぜ」

俺は、意識する。

絵の具を一つの色にするように。

「『『モード:新生!!!』』」

体が青白く発光すると、辺りの黒い手が消え去る。

「なんだそりゃあ?」

ハンスは容赦なく振り下ろす。

『俺達』の体は光の粒子となっており、ハンスは霧を斬るかのように攻撃が通じなくなっていた。

「すごい手品を隠しもってやがるなあ」

『俺達』は粒子のままにハンスを通り過ぎていく。

『なんだこりゃあ!?魔力が吸われてやがる!』

そう、『俺達』の一粒一粒が妖魔の魔力を吸い上げる。

だが、長くは持たず、『俺達』の精神は分離した。
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