妖魔05~正道~
光は消え、元の姿に戻る。

「今のは、何なんだ?」

俺自身、何が何だか解らない。

誰が誰なのか解らなくなった。

俺であって、俺でない。

新しい人格が生み出されたかのような感覚。

しかし、大量に魔力を吸収したというのに、戦いは終わってなかった。

背後にはハンスが大剣を振り下ろそうとしている。

両手で受け止めたとして、腕が耐え切れるか?

二度連続の『モード:新生』を使うのか?

『モード:ダブル・エッジ』

『モード:神速・モード:ダイヴ・アクセル』

俺が考える前に、ロベリアとジャスミンが能力を発動する。

額間近でハンスの大剣がスローペースとなり、俺の体には重力がかかる。

しかし、止まったわけではなく動いているので、俺は遠ざかる。

『モード:神速』が解除され、ハンスの大剣は空振りする。

本日二度目の『モード:神速』は、肉体に大きくダメージを与える。

そして、二つ目のカートリッジが使用される事となる。

解説しよう。

魔力を吸収したのにカートリッジを使ったのは、第三段階になった状態は相当な魔力をしようする。

敵の魔力を吸い取ったとしても、ちょっとプラスになるくらいでしかないのだ。

解説終わり。

俺は片膝をつきハンスを見る。

「はあ、はあ、はあ、すまねえ。ロベリア、ジャスミン」

『だらしない奴』

「かも、しれねえ」

限界が近い。

ふら付きながらも、立ち上がる。

「中々面白かったぜえ」

黒い手が再び形成されていく。

どれだけの魔力を溜め込んできたというのか。

黒い手が素早く伸びてくる。

「く、まだか!?」

「ザック!」

誰の声かは理解していたので、痛む体を動かしながら扉の方角へと真槍で向っていく。
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