妖魔05~正道~
女児に案内をさせ、俺達は教会らしき場所に辿り着いた。

他の家と比べると外見は綺麗だ。

大きめの両扉をあけると、両脇に椅子が並んでいる。

奥にはステンドグラスに人間を象った天の者を飾っている。

人が奥に設置された扉から出てくると、女児は走っていく。

「八重、どこに行ってたのですか?」

優しく腕の中に抱え込む。

「シスターマリア、これ」

八重という女児が渡したのは一輪の白い花。

「ありがとう」

笑顔で受け取る。

「でも、危ないから、一人で外に行ってはなりません。解りましたか?」

「はい、シスターマリア」

八重は扉の奥へと消えていく。

「刃、私の花を散らせるんだ」

「露出するな!」

スカートを下ろそうとした燕に踵落としを決めて、ぶっ倒す。

「私はシスターマリア、あなたが八重を見つけてくれたのですか?」

「ああ」

「どうなんですか?」

「だから、見つけたと言ってるだろう」

「そうですか。あの子が帰ってきたという事は見つけてくれたという事ですね」

シスターマリアという女は何かがおかしい。

まるで、一人で会話をしているようだ。

しかし、先ほどの女児とはしっかりと会話をしているようだったがな。
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