妖魔05~正道~
「原初の者とは、一体、何なんだ?」

「原初とは、初め。初めに世界を作った者を現すのじゃ」

「だから、神なのか」

「神になれば、何でも出来ると思うておる輩もおる。じゃが、そんな力など、生きている事に意味をなくすだけじゃ」

「意味を、なくす?」

「完璧な存在ほど、つまらない物はない。不完全じゃからこそ、色々な事を知り、色々な経験を楽しめる。失敗が人を成長させる事も少なくはない」

「そうだな」

何でも知っていて、何でも出来る。

ストレスのない生活。

何が、楽しいんだ?

物語を最初から知ってる本なんて、読む気にならないだろ。

「ワラワは今、楽しい。もし、手に入ったとしても、そのような事を望みはせぬ」

「うん」

「丞ちゃんは、もし手に入れられる状況があったとすれば、どうするのじゃ?」

「神になるつもりはないよ」

でも、やりたい事なら一つだけある。

しかし、それをやる事で、全てが壊れてしまう。

やらない方がいい事だとは思うんだけどな。

「それで、原初に近き者が、どれだけ残っているんだろうな?」

「解らぬ、装飾品の位置はわかっても、生きている者の位置は知らしておらぬからな」

「そうか」

一つに纏まっているという事は、死んでいる可能性が高いな。

体はなくなっても、原初の意志は生き残っているという事か。
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