妖魔05~正道~
「そう」

いつもと変わらぬ様子で扉を閉めた。

しかし、すでに千鶴の中では心境の変化が起こっているはずだ。

一言だけ言って扉を閉めるなんて、さっきとは対応が違うじゃないか。

「不味かったかのう」

そう言いながらも、抱きついている状態を解除しない。

「そうでもない、多分な」

「それなら良い」

嬉しそうな顔をしながらも、顔を胸に埋める。

分かってるのに、反省してないな。

「さて」

「どこに行くのじゃ?」

「ちっと千鶴の様子を見に行かないとな」

外に出てきたばかりだが、自分のやらかした事の後片付けはしなければならない。

こういう事って、溝になりやすいしな。

「なら、ワラワ達は帰ろうぞ」

「ああ」

龍姫達は俺から離れて、家路についた。

「龍姫」

「何じゃ?」

髪をなびかせながら、振り返る。

「気をつけてな」

龍姫は再び俺に近寄ってくると、抱きつく。

「んー、丞ちゃんから離れたくなくなるのじゃ」

「龍姫様、あまり長居をしてはいけません」

「ああー、丞ちゃーん」

紅玉に襟首を持たれ、引きずられていく。

「ふう」
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