妖魔05~正道~
千鶴と俺は兄妹だ。

何故、俺なのか。

記憶と共に遺伝子にも影響が及んでしまったのか。

本来なら、近親相姦をしないようにするための作用が働くはずだ。

近親相姦を全面的に否定はしない。

でもさ、結果的にはよろしくない事が多い。

社会的、倫理的な事を除けば、劣性遺伝を受け継ぐ。

劣性遺伝を多く受け継げば、奇形や病気などが起こりやすくなるのだ。

親は子供を生まれたことに祝福する。

だが、子供はどうという話だ。

本当に幸せか?

親に望まれているといったとして、周りの環境などがある。

病気にかかりやすいという点も、否めない。

一番に苦しむのは親じゃない。

子供なんだよ。

負わなくてもいいハンデを背負う事になる。

成人する事が出来ないかもしれないんだ。

差別がないわけでもなかろう。

全員が認めてくれるという事もなし。

人間が善の部分だけで成り立っているわけじゃない。

何もかもが、奇麗事で済むはずがないんだ。

まあ、近親相姦をしていた俺が問えるような問題ではない。

そういう問題が山済みですよという事だ。

本当に覚悟があっても、難しい事だらけだよな。

ソファーの前に机には、数個のリンゴがザラの上に仲良く並んでいた。

リンゴを一つ手に取り、見つめる。

「吟」

俺は、どうすればいいのだろうか。
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