妖魔05~正道~
吟は、そんな問題などお構いなしに前に進んでいた。

「凄いというか、何も考えてないというか」

今の自分が小さく見えてくるほどだった。

リンゴを置いて、テレビを付ける。

見るつもりはなかったが、自然と手が動いていた。

表の世界が変わっても、人々の暮らしは変わらない。

テレビに出ている人物達は、妖魔も混じっている。

でも、本当の姿はバレていないんだろうな。

まだ、一つだけ足りていない。

本来の姿でも暮らせるようにする事が出来る事だ。

でも、まだまだ先の話か。

何ら得る情報がなく、テレビを消した。

ロベリア達は千鶴と上手くやってるだろうか。

任せた以上は信じるしかない。

「兄さん」

「千鶴」

千鶴がリビングの入り口に立っていた。

それも下着姿で。

「ちょっと待て、えーっと」

何を言ったら、千鶴が下着姿になるんだ。

変な方向に持って行こうとしすぎだ。

「千鶴、お前が勇気を出した事は褒めたいところだ。でも、俺達は兄妹だぞ?それを分かっているのか?」

「兄さんは、おばあちゃんと関係を持ってたらしいね」

きっとジャスミンが余計な事を話したんだな。

どうする?

全くもって、頭が働かないぞ。
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