妖魔05~正道~
突拍子な事をやらかしちまうところ、葉桜の血を引いている部分はあるな。

「俺は、千鶴が妹だとしても寝る事は出来る。でも、そこに家族としての愛情を込める事は出来ても、女を愛する気持ちを込める事は出来ない」

世界に女は吟しかいないわけじゃない。

でも、吟という女は一人しかいなかったんだ。

俺は、今も吟を求めている。

いないと知りながらもな。

分かったフリをしていただけなんだ。

「それでもいい」

「千鶴」

千鶴が俺の胸に飛び込んでくる。

「それでも、いい」

声が潤いを帯びている。

泣いているのか。

千鶴の気持ちの大きさが予想を上回る物だったとはな。

頭を掻く。

「お前の覚悟は分かった」

時計を見る。

十九時まではまだ時間があるようだ。

今の状態でごまかしは通じない。

自分の言った事の責任はしっかり取るしかないだろう。

「はあ」

妹と行為に及ぶ事になるとはな。

誰が思っただろうか。

最初は、祖母と関係を持つなんて事も、思いやしなかったがな。

俺は千鶴の肩に手を置き、自分の部屋まで導いていく。

ロベリア達はまだ千鶴の部屋にいるのだろうか。

姿を見かけないところ、二人で何かしてるのだろう。
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