妖魔05~正道~
カーテンを閉めて、部屋の中を薄暗くする。

それでも、目が慣れてくると、千鶴の姿が見えてくる。

肩よりも少し長い黒髪。

俺を見つめている垂れ方の瞳に小さな唇。

少し痩せ気味な体。

決して大きくはないが形の良い乳房。

綺麗というよりは可愛いに部類するだろう。

「本当に、いいんだな?」

「うん」

最後の確認をとり、俺も覚悟を決める。

一緒にいられなかった。

兄妹でやるとなれば、大それた事だとは思う。

でも、叶えてやりたい。

千鶴は他の事を望んでいない。

「ふう」

お互いに唇を合わせる。

二度目になるか。

千鶴は顔を真っ赤にして俯く。

嫌悪感はないのだが、悪い気もしてくる。

千鶴を仰向け状態でベッドの上で寝かせる。

「兄さん、好き、です」

「ああ」

俺の気持ちを知ってなお、千鶴は俺を好きだという。

いいのだろうか?

千鶴に気持ちをこめる事が出来ないというのに。

もう、決めたことだ。

千鶴を言い訳にするのはやめよう。

一度言った事を捻じ曲げるなどしない。

俺は、千鶴と交わる。

心の中での変化はなかった。

しかし、千鶴は俺の名前を呼び、俺の手を強く握っていた。
< 267 / 290 >

この作品をシェア

pagetop