妖魔05~正道~
ベッドの上で、千鶴は笑顔になる。

「ありがとう、兄さん」

しかし、一転して暗くなった。

「でも、迷惑、かけてるよね」

「俺は、お前の幸せな顔を見れたんだ。それでいい」

千鶴の頭を撫でてやる。

「ありがとう」

「ああ」

「これで、私、前に進めると、思う」

当然、千鶴の中でもいけない行為だったという事を理解はしている。

もしかすると、吹っ切るための行動だったのか。

俺の気持ちをしっているから、いつまでも引きずってはられない。

そう、思ったのかもしれない。

「そうか」

「うん」

時刻は十八時四十五分。

そろそろ、出なければならない。

「行くの?」

「もっと、ゆっくりしていたいところだが」

「ううん、兄さんにとって、大切な事、なんでしょ?」

「ああ」

「だったら、行かなくちゃ」

「おう、行って来るぜ」

「行ってらっしゃい」

服を着込み、部屋から出る。

部屋の外には、ロベリアとジャスミンがいる。

「上手く行ったわね」

「それは、解らない。とりあえず、ジャスミンは千鶴と一緒にいてくれないか?」

何となく、千鶴を一人にさせておくわけにはいかなかった。
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