妖魔05~正道~
「何を考えてるの」

「さてな」

「私は姉さんを手に入れるだけ」

高速の動きで突進してくる。

「お前のロベリアを求める気持ちは素敵だ。だが、遅い」

コアを体内に仕込んで、能力を作動させた。

白の空間が俺達を包みだす。

指定先はジャスミン単体。

今、目の前には、ジャスミンのコアだけが落ちている。

「成功したか」

ジャスミンに体はない。

しかし、精神が存在する以上、一体としてカウントされるようだ。

だからこそ、ロベリアを解除しておいたのだ。

「美咲には悪いが、拝借させてもらったぜ」

以前、美咲の家に行った時にくすねてた。

俺はコアを拾い上げる。

「ジャスミン、俺が息を出来る以上、空間には酸素が存在する。いいか?このままでいたらお前は死滅する」

ロベリアのように声は聞こえてこないが、コアは弱い光を放つ。

「千鶴と契約破棄をするんだ。俺がお前と契約する」

千鶴には闘わせたくはない。

だからこそ、俺がジャスミンを背負う。

今まで俺の体の中に入らなかったジャスミンのコアは肉体へと入る。

すると、ロベリアと初めて契約した時のように、気分が悪くなっていく。
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