俺様彼氏に気をつけて!?
千晶side

キーンコーンカーン……

図書室で寝ていた俺はチャイムで目が覚めた。

時計をみると……げっ、もう最後の授業終わってんじゃん。

ホームルームとかたりぃし、もう帰っちまうか。

そう思って誰もいない図書室を後にした。

教室に鞄を取りに戻ろうと階段を上ろうとしたとき――

「あっ……」

階段の真ん中でしゃがみ込むひながいた。

呼吸を荒くして苦しそうにしている。

駆け寄ろうとしたが、すぐに思い留まった。

ひなにはもう関わらないと自分で決めたんだ。

「くっ……」

俺は拳を強く握った。

ひなには関わらない。

もう俺らは他人なんだ。

それがひなの為……。

俺が踵を返そうとしたとき、

「はぁっ……アッ……」

見ると、ひなは今にも階段から落ちそうになっていた。

そして――

次の瞬間、俺は何も考えずに飛び出していた。

ひなはスローモーションのようにこちらに向かって真っ逆さまに落ちてくる。

ギリギリのところで床とひなの間に割って入った。

ドサッッ!

鈍い音をたて腕の中にひなが飛び込んできた。

しばらくしてひなが薄っすらと目を開けた。

けど俺が誰だかはよく分かってないようだ。

口が僅かに動いているが声が出ないのか?

そして力尽きたようにガクッと全身の力が抜けた。

今なら声を出しても気付かれないだろうか。

「……ひな――…」

俺はほとんど無意識に声を漏らしていた。

一度許してしまったら、もう止められなかった。

「無事で良かった……」
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