神風

行ったときにはすでにライがラインをひいていた。


「由那は走っちゃダメだからねー!」


なんて遠くから叫んでいる。


そんなこと分かってるって。


でも走りたくてたまらない。


彼を横目に部室に入る。


そこにはかばんが置いてあってトランペットがなかった。


いくら見渡してもない。


どこにおいたのかな…


コンコン――


「由那、言い忘れたけど彰が楽器音楽室に運んでたよー!」


ドアも開けずに叫ぶ彼。


あたしはドアを開けた。


そろそろ始めよう。


と思ったのだ。
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