神風

「やめるのに理由がいりますか?」


「いるわよ。」


「やりたくなくなったからやめる。これでいいですか?」


黙った。


あたしは部屋を出る。


彼女も静かについてくる。


「いいの?」


「いいのっ!」


あたしは振り返って


「最後に1つ、いいこと教えますよ。音楽は心の綺麗な人にしかできません。せいぜい今度のコンクールで恥をかいて下さい。」


部員も由那も何も言わなかった。


あたしはドアを閉める。


そして由那の隣を歩いた。
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