大切なもの…〜cherry tree〜
 


『ぃゃっ…』


真奈の体は完全に押さえられ、
男は次々と交代していった。


ーガラッ


「真奈!!」


ドアの先には、
ケントと達也君が真っ青な顔をして立っていた。


真奈は達也君に車から引き出され、
ケントは
車の中の男達を外へ引きずり出した。


達也君が真奈から離れ、
ケントが真奈を抱きしめて


「ごめん…守れんかった…」

体を小刻みに揺らして言った。


ケントの温もりを感じて、
真奈はやっと涙を流した。


ケントの大きなTシャツを着て、肌を隠す。


男達は、
達也君の言う事を素直に聞いて一列に並んで座っていた。
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