世界を敵にまわしても


「俺らもう仲良いから、大丈夫だって!」


晴がそう言うと、ホームルームの終わりを告げるチャイムが鳴る。


先生は鳴り止むのを待ってから、出席簿を持って微笑んだ。


「それは何より。俺的には、高城が意外に熱いキャラだったのは面白かったかな」


信っじられない!!


あたしを見て満足そうに口の端を上げる晴にも椿にも怒りたい。


何の悪びれも無く、素知らぬ顔で微笑む先生に腹が立つ。


馬鹿にしてる!からかってる!面白がってる!


「……っ」


いっそのこと怒鳴り散らしてやろうと思ったけど、言葉は喉奥に引っ掛かって、出てきてはくれなかった。


……何で、こういう事をするんだろう。


何でいつも、あたしの考えよりずっと先を考えてるの。


今度は自分で、居場所を見つけようと思ったのに。またきっかけを、先生にもらってしまった。


悔しい。


「……先生」

「ん?」

「余計なお世話です」

「手厳しいね、高城は」


その、嬉しそうな笑顔を今すぐにやめてほしい。


「じゃあ、ホームルーム終わり! 今日も1日元気にね」


教室を出て行く先生の背中を睨んで、力が抜けたように椅子に座った。机に頬杖をつくと、同じように腰掛けた椿が振り向く。


「朝霧って……何、顔赤いよ美月」

「何でもない。……先生が何?」

「面白くね?」


面白いなんて冗談じゃない。



あたしの心を乱し続けるなんて、やめてほしい。

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