世界を敵にまわしても


いつもそうだ。何かしなければと、このままじゃいけないと思うのに。どうすればいいか分からない。


あたしの頭が足りないのか、それとも状況のせいなのか。


「話したいけど、また誰かに見られて疑われるのは困るの。先生が辞めるとまで言ったのにそれじゃ意味ないし……でも辞めてほしくない。だけどもう辞表出しちゃって……出来ることが何もなくて」


八方ふさがりとでも言うのか、何をしても意味がない気がする。


それよりも前に、先生の決意が固いことが分かってるからかもしれない。


だからあたしは、先生に連絡も出来ない。


「まぁそうだよな。奏ちゃんが担任代理じゃなくなって、それが余計噂は本当だとか言われてっし……本来の担任が戻ってきただけだっつーの」


そんな風に言われてるのか。ここ1週間、周りの声は全部同じに聞こえたから気付かなかった。


「俺も奏ちゃんには辞めてほしくないけど、外でも学校でも無理となるとなぁ……俺と椿が言っても無駄だろうし」


晴は考えるように腕を組んで「うぅーん」と眉間にシワを寄せる。


あたしも考えようと思ったけど、散々悩んだことで何も浮かばなかった。


「……あ?……お? アレ? いけんじゃね?」

「……は、晴?」

「いける!」


独り言を呟いていた晴が突然パチンと指を鳴らすと、そのまま人差し指をあたしに向けた。
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