世界を敵にまわしても


「大きいんですけど……」


差し出された絆創膏は、てのひらサイズ。


てっきり長細いタイプだと思ってたのに。


「だって、その傷に普通のじゃ間に合わないでしょ?」

「そうですけど」


いくらなんでも大袈裟すぎる。……まぁ、何でもいいか。


2枚の絆創膏を受け取ると、2つに分かれたセロハンを片方だけ剥がす。


「貼ってあげようか?」

「お構いなく」

「だと思った」


クスクスと笑う朝霧先生はローラーの付いた椅子に座って、そのまま部屋の隅へ向かった。


ローラーが床を滑る音を聞きながら、あたしは絆創膏を貼り終えたてのひらに視線を落とす。


「高城―、何か食べる?」


呼び声に顔を上げると、朝霧先生は部屋の隅っこで何やら漁っている様子。


その背中に向けて「お構いなく」と告げると、振り向いた朝霧先生はガーッと音を立ててあたしの目の前で止まった。


子供みたい……。


「クッキーあったよ」

「腐ってそうで嫌です」

「失礼だな。この前家庭科の木村先生にお土産で貰ったんだよ」


……あぁ、あの女の先生。教師の間でもモテるなんて、大変そう。


「色々種類あるみたいだけど、どれがいい?」


て、いうか。
開けてなかったの?


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