世界を敵にまわしても
音楽室を出ると、宮本くんと並んで歩き出す。
「……宮本くんは、まだ部活?」
「くん!? 何ソレやめよーよ!」
当たり障りのない話題を出したつもりなのに、宮本くんは鳥肌が立ったような仕草を見せた。
……じゃあ、何て呼べばいいんだろう。
「晴でいーよ、ハルッ! みんなそう呼んでんじゃん!」
こんな状況想像したことすらなかったから、どうすればいいのか分からない。
「つーか久々に君付けされた。俺、知らない人にも晴って呼ばれるからさー」
あぁ、それは何となく分かる。
「でも、そのまま友達になるんでしょ?」
「そうなんだけどねー。最初、誰? ってなるじゃん」
さすが最高ランクだ。
そんな人と並んで歩くなんて未だに不思議でしょうがないけど、ミキ達も話したことあるし、普通なのかな。
「てか、奏ちゃんと仲良いの?」
「え? いや……雑用押し付けられてるだけかな」
こうして見ると、やっぱり宮本くんは朝霧先生より身長が低い。
170弱ぐらいだろうか。
「俺さっき修羅場かと思っちゃった」
大きな目が可愛いなとか思ってたあたしの頭が、途端に冴え渡る。
そうだ。
あたし、泣いた後の顔見られたんだった…!