世界を敵にまわしても
―――
――――…
「……」
重い瞼を開けて、何度か瞬きしてから頭を働かせる。
朝か。珍しく目覚ましが鳴る前に起きたな……。
仰向けになっていた体をうつ伏せにさせて、のろりくらりと体を起き上らせた。
特に乱れていないベッドの上に座り、ぼーっとベッドに付属された棚の上に目をやる。
「……4時?」
朝の?
それにしても部屋が明るいなと思った瞬間、あたしは寝起きとは思えない素早さで時計を掴んだ。
止まってる……!
秒針が全く動いていない事に血の気が引く。
しかも勢い良く掴み過ぎたのか、分針が12時から6時にブラーンと下がり、イラッとさせられた。
先生が担任代理になって1週間、いやそんなレベルの話じゃない。
17年間生きてきて、一度も遅刻なんてした事ないのに!
「あぁもうっ!」
バフッと時計を布団に叩きつけてベッドから降りようとした時、部屋のドアが予想外の人物を招き入れた。
「……」
「……起きたの?」
苛立ちは焦りに代わり、あたしは部屋のドアを開けた母から目を逸らす事が出来ない。