CHANCE 1 (前編)  =YOUTH=
 



『みんな、朝食が出来たわよ。』


俺達は、ダイニングの方に移動して、席に着いた。


『チャンス、俺と伯母さんでつくったチョンポクチュ(アワビのお粥)だぜ。

それから、俺の作ったペラッキムチ(即席キムチ)。

タンポポの葉っぱで作ってみたんだ。

少しだけ苦味が有るんだけど、それがまたこのお粥とマッチして美味いはずだから。』


「なかなかヤルね!

日本人は、正月明けに、七草粥に入れて食べるくらいしか、タンポポの葉っぱは食べないんだよな。」


『そうなんだ。

けっこういけるぜ。』


「これは!?」


『あぁ、それか!

それは、ケジャン(生のカニの醤油漬け)の身をほぐして、大葉で巻いてワンタンの皮で更に巻いてサッと揚げたやつ。

ケジャンの辛味が、朝粥にピッタリだと思って!

何でも、チャンスはケジャンは好きだけど、身をほぐすのを面倒臭がるだって、伯母さんが言ってたから、チャンスの為にアレンジして作ってみた。

大葉で巻いてるから、スッキリした味になってるから。』


「テギル君は、本当に料理が好きなんだね。

料理している時のテギルは、アボジのヨンナムにそっくりで、生き生きとしてるんだって、ヨンチャンが言ってたぞ!

本当に、これからよろしく頼むな!」


『ハイ。

チャンスパパよろしくお願いします。』


「チャンスパパって言うのは、なんかシックリ来ないなぁ。

高 社長って呼んでくれるかい!?

一番聞き慣れているから。」


『分かりました、高 社長。』


「テギル君、このケジャンの包み揚げ美味しいよ!

こりゃ、酒のツマミにも、ご飯のおかずにもいけるな!

また時々遊びに来なさい。

そして、色々と美味しいのを食わしてくれるかい!?」


『ハイ。

時間がある時に、是非寄せて貰います。』


「さてと、飯も終わったから、ボチボチ準備してパーティーに行くとするか!」


『ヨボー(アナタ~)、私は準備にちょっと時間が掛かるから、先に部屋に行っときますね。』


「ヨンミちゃんは、そのままでも充分に素敵だけどなぁ。」


『チャンスの両親はラブラブだねぇ!』


アボジもオモニも、恥ずかしいから、やるなら部屋に行ってから遣ってくれよ。


俺達も、朝食が済んだので、2階に上がり準備に取り掛かった。





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