CHANCE 1 (前編) =YOUTH=
「そうッスねぇ。」
『その上、社長は人遣い荒いから、録音が始まったら、2~3日はまともに寝られ無いから。
その後にも、編集作業で缶詰め状態じゃあ、バンド練習どころか、活動それ自身がストップしてしまうんだぜ。』
「まぁ、確かにこの業界は営業時間なんて、有って無いようなもんだからな!」
『今度、本郷スタジオの地下でライブイベントが有るんだけと、チャンスのバンドは参加するの?』
「無理っぽい。
パクユのメジャーデビューの日程が決まったから、俺等のバンド、ボーカルが居ないしな。」
『そっかぁ。
XYZのボーカルはユー君だったね。
俺のバンドは、自然消滅するから、俺がボーカルで入るなんてのも有り!?』
「マジで?
そうなれば助かる。
皆、ボーカルが居なくなるから、ヒュージョンでもやろうかと言い出す始末だから、困ってたんだよなぁ。」
『じゃあさぁ、皆がOKしたら、俺がボーカルな!』
「テジュン、ケント、ジョージ、天道君がボーカルで参加したいって。
どうよ!?」
『レベルは?』
「ユー君には勝てないけど、かなりのもんだぜ!」
3人『よろしく。』
と言う訳で、天道君がXYZの新ボーカルになることに!
「彼の名前は、天道新(テンドウアラタ)って言うんだ。新しいの新って書く。
俺等とタメだから。」
『じゃあさぁ、シンって呼んで言いか~い!?』
「どうだい?」
『それでよろしく。
俺もずっとそう呼ばれてきたから。』
「じゃあ、決定。
ライブイベントはいつ有るの!?」
『8月6日だよ。』
「ユー君がデビューしてすぐだな!
もう一組エントリーして貰いたいバンドが有るんだけと、まだ枠は空いてる?」
『大丈夫だよ。
まだ4バンドしかエントリーして無いから。』
「最近知り合ったレディースバンドなんだけど、かなりのレベルなんだ。
この前のバンドカーニバルで3位だったんだよ。
彼女達に聞いてみて、出たいって言ったら、すぐに連絡するよ。」
『了解! 一応、すぐに参加出来るように、枠取っとくな!
なんてバンド名なんだ!?』
「B5って言う名前の5人組。
俺等と同じ編成だから。」
『わかった。
じゃあ、いっぺん本郷スタジオに連れて来てくれるかい?』
「わかった。日曜日くらいに連れて行くよ。」