CHANCE 1 (前編)  =YOUTH=
 


今日は土曜日。



ソナとデートの約束だ。


俺達は今、車に乗ってレインボーブリッジを渡ってお台場に到着したところだ。


ウィンドウショッピングをしたり、イタリアンランチを楽しんだりして過ごした。


自由の女神は、ちょっと小さかったが、一緒に写真を撮ったりと、時間はあっという間過ぎていった。


「ソナ、明日の昼過ぎに、この間知り合ったレディースバンドの子達を連れて本郷スタジオに行くんだけど、一緒に行くか!?」


『何が有るの!?』


「来月、ライブハウス CHANCE のライブイベントが有るんだけど、彼女達も参加したいって言うから、本堂さんや天道君にレベルを見て貰うんだ!」

『そのバンドの中に、オッパの好きな子がいるんだ。』

「んな訳無いだろ。

地下鉄丸の内線でくるんだけど、本郷三丁目駅で待ち合わせして、そっから本郷スタジオに連れて行くだけ。

一応、親父の主催するライブイベントだから、レベルの高いバンドが出演した方が盛り上がるし、成功させたいだけ。」


『やきもち妬いちゃった。 ゴメンね!

だって、オッパ最近忙しそうで、ぜんぜん会えないし、オンマ(ママ)は付き合うの反対してるし…』

「ごめんな!

でも、ライブ終わったら暇になるから、この夏休みは、思いっきり遊ぼうな!」

『うん! o(^-^)o』

*********


翌日は、ソナと一緒に車で本郷三丁目駅に向かい、B5のメンバーを待った。


10分くらいで彼女達はやって来た。


『今日はお世話になります。』


「久しぶりだね。

さぁ、暑いだろ。車に乗って!」


『お邪魔します。

まぁ、高山さんの彼女さんですか?

可愛い!』


「はじめまして。
林ミヤビと言います。林泰俊の妹です。」

『あのベーシストの妹さんですね!?

以前、話を聞いていたんだっけ。思い出したわ。

今、高校一年生なんですよね。』

「はい。女学館に行ってます。」

『へぇ、頭良いんだね!
私達は、明和女子の三年なんだ。

来年の春には卒業だから、最後の思い出作りで、今度のライブイベントに参加したいなぁーなんて思って。』


「そうなんですか。

頑張って下さいね。」

『有り難う。』


「さぁ着いたよ。

ここの地下でやるんだけど、まずは演奏聴かせてあげて。」


5人『は~い。』
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