レモンドロップス。


どうして・・・。


昨日からショックの連続だったけれど、この言葉はあまりにも思いがけなく、頭の中にガンガン響いた。

自分の顔に手を当てると、ビックリするくらい冷たい。



左腕の自由だけじゃない、言葉まで陽斗は失ってしまった?

残酷すぎる、そんなこと残酷すぎるよ・・・。



「今朝ね、陽斗の意識が戻ってから、あの子に怪我のことを伝えたの。左手のことも。」

「・・・陽斗は、じゃあギターが弾けないことも?」

おばあさんは静かにうなずいた。

窓から差し込む西日は、そのままおばあさんの顔に深い影を落としている。

「あの子はわたしが何を言いたいのか、自分で分かったみたいだった。しばらく一人にしてくれって言って、わたしが病室に戻ってきたらもう、言葉が出なくなっていて・・・。」

再びおばあさんの目からさっきの何倍も大きな涙が零れ落ちるのを、あたしはなすすべもなく見つめるしかなかった。


自分の大好きな音楽を失ったこと、夢を失ったこと、陽斗は自分で悟ってしまった。

一人になった病室で、陽斗は何を考えていたんだろう。

ベッドの上の陽斗を思うと、あたしは苦しくて息が詰まりそうだった。

こらえきれず、涙があふれる。


でも、陽斗の受けたショックはあたしより遥かに大きかったんだ。


言葉を、なくしてしまうほどに。




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