レモンドロップス。

部屋の中は、目がくらむほどまぶしい夕焼けの中だった。

あたしの正面に見える窓はカーテンが開けっ放しで、西日がまっすぐに差し込んでいる。


陽斗、まぶしすぎないかな。

心配になってベッドの方に目をやると、あたしを見つめる視線とぶつかった。


陽斗は思いがけず、まっすぐにあたしを見つめている。

目が合うと、照れたように右手をかすかに持ち上げた。

「・・・・・・・。」

声はしないけど、『よっ、来てくれたんだ』、そんな言葉が聞こえた気がした。


「陽斗、無事でよかった・・・。」

ベッドに歩み寄ってそう言うと、陽斗はうなずきながら目を細めた。

『心配させてごめんな』

そう言いたいんだね。

聞こえないけど、聞こえるよ。

思わず目から涙がにじんだ。

「ほんとに心配したよ、陽斗。」


陽斗は包帯の巻かれた右手を伸ばすと、あたしの頬に軽く触れる。

その手をあたしはキュッと握った。

――『泣くなよ、彩香』

「無理だよ・・・、どんだけ心配したと思ってんの?」

――『だよな、ごめん』

「でも、また会えてほんとに良かった。」

――『俺も』


言葉のない会話だったけど、確かにあたしたちは話をした。

陽斗はほとんど身動きできなかったし、まだぼんやりしていたけど、その時間にあたしは救われた思いだった。



陽斗、あの時の会話を覚えてる?

君の声は、確かにあたしに届いていたんだよ?




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