レモンドロップス。
「怖い?どうして?」
昨日の陽斗を思い出してドキリとした。
いずみちゃんも、陽斗に何か言われたんだろうか・・・。
そんな嫌な予感が胸をよぎる。
「これっていう理由があるわけじゃないんだけどね。何か様子がちょっと違ってて・・・。暗いっていうか、固いっていうか」
固い・・・。
いずみちゃんもあたしと同じことを感じてるのかもしれない。
「いずみちゃん、実はあたし昨日病院に行ったんだけど・・・」
あたしは昨日の出来事をいずみちゃんに打ち明けた。
最初はうんうんと相槌を打っていたいずみちゃんも、陽斗の様子を聞いてだんだん言葉を失っていった。
「いずみちゃん・・・?」
電話の向こうの沈黙があんまり重くて、思わず呼びかけると、
「うん、聞いてるよ。ごめん、ちょっとびっくりしちゃって」
いずみちゃんはこわばった声で答えた。
「音楽ができないっていう事実が、今の陽斗には本当に苦しいんだと思う」
あたしがそう言うと、
「うん・・・、きっとそうなんだよね。今の陽斗には、裕や浩一郎さんの姿がまぶしすぎたのかも知れない。けど・・・」
いずみちゃんは、ちょっと口ごもった。
「陽斗は他のことに引っかかっていることがありそうな気がするの」