レモンドロップス。
疫病神・・・、積もっていたおとうさんへの気持ちが、あの日に爆発してしまったのかもしれない。
悲しいくらい自分と似ている言葉たちから逃げて逃げて・・・、その果てに。
「あいつは疫病神だよ。俺の母親を裏切って捨てて、死なせた。今度は俺だよ。事故にあって、全部終わり。いずみだってあいつのせいでどんだけ辛い目に合わされたと思う?」
陽斗の言葉がガンガン頭に響いてめまいがしそうだった。
とっさに陽斗の肩を掴み、
「陽斗、落ち着いて・・・」
そうすがるように言った。
「あいつのせいなんだよ、疫病神なんだよ・・・」
なおも続ける陽斗。
陽斗、お願い戻ってきて。
あたしのいる世界に。
お願いだから、憎しみの淵の中に沈んでしまわないで。
目の前の陽斗が、誰よりも遠くに行ってしまうように感じて、あたしの手はかすかに震えていた。