レモンドロップス。
あたしは思わず深いため息をついてしまった。
お腹の底から何かを吐き出すような。
「そんなこと言わないでよ…」
「なんで?見てよ、俺の左手」
ベッドに横たわったその手はピクリともしない。
「これでも精いっぱい動かそうとしてるんだよ?でもだめ」
「それは…」
「これでも大丈夫って言えるの?言い切れるの?」
早口で話す陽斗はあたしの知らない人のようだ。
陽斗の言うとおり、左腕は骨折の影響で麻痺を起こしている。
いつ治るのか、必ず治ると言えるのか、もちろんあたしには分からない。
でもそうじゃない、何かが違う。
「自分なりに頑張ってるよ、頑張ってた。でも結局運命から逃げられない。あいつに呪われてるってことかもな」
ああ、やっぱりそうだ…。
やっぱりここに戻ってしまうんだ。
ハンカチにポツリと黒いインクを落としたように、絶望的な気持ちが広がっていくのをはっきり感じた。
「なんで…?」