レモンドロップス。

枕元に置いた携帯をとると、ずっと開いていないアドレスを呼び出した。

「戸田陽斗」

新規メール作成。


何も考えていなかった、と思う。

考えるより先に、指先から思いがあふれ出して次々にキーを打った。



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陽斗、元気ですか?

さっきニュース見たらね、今年の冬は寒さが厳しかったから、桜の開花が遅れそうなんだって(汗)。
まだ1週間以上、って長いよ~!

なんかさみしいね(汗)。



・・・まあ、それだけなんだけど。。。








なんだかさみしい。

陽斗、あたしはさみしいよ。


陽斗に会いたい。

とっても会いたい。




こんなメール書いたって絶対送信しないのに、また書いちゃった。


たぶん桜のニュースを聞いたせいだね。





あたしたちが初めて会ったのも、桜が満開のときだったから・・・。

桜色の風がひと吹きで、あたしを陽斗のところに運んだんだよ。








ごめんね、もうやめます。


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何やってるんだろ、あたし。


送るつもりのないメールを打っている自分に思わず笑ってしまう。


それでも確かにメールの先には陽斗がいる気がして、なんだか心が温かくなるのが情けなかった。



保存しますか?


携帯電話の問いかけに、


はい


そうボタンを押すと今度こそ静かに目を閉じた。


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