三つの月の姫君
「いつのまにか、雷も夕立も遠くへ去ったみたい。ささやかですが、お食事をなさいますか。その、使用人と一緒でよろしければ」


「オレは嫌だね。賓客扱いしてもらう」


 長い階段を乱れる息を殺しつつ昇り、意固地にミスターは言い放った。


 彼は金も地位もある上に美しい。
 

 物の本によると、物語中に男が「美しい」と形容されている場合、いろいろあっても、どんな決着になろうとも、必ず生き残るし、成功するのである。



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