三つの月の姫君
「あんまりこっちに長居すると、未来の歴史が変わっちゃったりするのかな……」

 
 青年はぽつ、と口に出して言ってみた。


 もちろんだれかの返答を待っていたわけではない。


「変わるだろうな、もし、何もしなければ」


「ううわっ」


背後からボソボソとつぶやきを聞かせるので、思わず悲鳴がでた。

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