三つの月の姫君
(多分、あれだ)


 何が多分か、わかってもいない頭で彼は動き始めた。


 城の離れに納屋がある。


 現代では馬が繋がれていたが、過去ではおんなのひとと繋がっているようだった。


 青年は当たりをつけてなるべくそろりと鎌と車を運び出した。


(なんにもしなければ、未来が変わる。なんにもしなければ……と、いうことは、僕には今、ここでするべきことがあるということ)



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