天翔る奇跡たち


『今日までただの、一つも、例外はありませんでした』

「それでも私はかれらの力となる……そう約束したのです」

 ぶわっと、そのとき一陣のつむじ風が吹いて滝の水を逆流させた。もちろん、こっちものんびりしてられない、とんでもない横殴りの大雨に降られたような感じで、参りましたよ、本当に。

「なんですって?」

 大雨のあとに見えたのは……りんとして立つ、真っ白のドレスを着たほっそりとした女性の姿。髪はプラチナブロンド。今のディノーディアさんと同じだ。ただし、額をすっきり出し、手入れの行き届いたストレートロングを背に流している。ま、まぶしい。光を背にして岩の上に立っている。




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