教育実習日誌〜先生と生徒の間〜
『なんかその言い方、ちょっと気になるな・・・・・・冗談だよ。
じゃあ、嫁さんに伝えとく。
ああ、今、子どもの寝かしつけをしてるんだ。
明日の朝9時以降に、その実習生と一緒に子守りをお願いするお姉さんも来てくれたら、すぐに指導案作りを始められると思う。
うち、一回来ているから分かるよな?』
「大丈夫です。それじゃあ、9時に二人を連れて行きます」
『その実習生、名前は何て言うんだっけ?』
「岩谷裕香です」
『岩谷・・・・・・もしかしたら、岩谷響介の妹、とか親戚?』
「妹ですが、ご存じですか?」
菫と顔を見合わせた。
『確か、嫁さんの教え子に、岩谷響介がいたって言ってた気がするんだ。
そうそう、岩谷響介の奥さんを担任したって聞いたな』
「そうでしたか!」
そうであれば、岩谷もきっと指導してもらいやすいだろう。
『それじゃあ、明日。俺はいないけど、その実習生さんに頑張れって伝えてくれ』
「ありがとうございます。明日よろしくお願いします」
電話を切って、大きくため息をついた。
菫の顔も、さっきよりずっと明るい。良かった。
「そういう事だから、すぐ岩谷に電話して明日の準備をするように伝えてくれ。
明日俺が8時50分に迎えに行くからって。
それと・・・・・・そろそろ足崩してもいいでしょうか?」
いいですよ、という声と共に、伸ばした俺の足をくすぐる菫。
階下で聞き耳を立てているお母さんへのサービスも含めて、俺は叫んだ。
何て叫んだかは秘密だ。