教育実習日誌〜先生と生徒の間〜
実習生の休日②

【菫の休日】


気がついたらもう、10時になっていた。


昨夜、先生が帰ってから指導案の続きを考えて、寝たのが12時。


昨日寝てなかった分、いっぱい眠ったみたい。


裕香は今頃、五十嵐先生の奥さんと一緒に、指導案を作っているはず。


どうかうまくいきますように・・・・・・。


そして、美羽ちゃんと吉川君のご家族も、今日話し合う予定だって言ってたっけ。


こっちもうまくいきますように・・・・・・。



そんな事を考えながら、ベッドの中からのっそりと出た。


たっぷり寝たから、今日は元気いっぱい。


大きく伸びをして、お部屋のシェードを開けた。


うん、良いお天気。


先生の甥っ子・稜君と、姪っ子・薫ちゃんもきっと喜んで水族館へ行ったはずだよね。


みんなを巻き込んじゃって、ちょっと申し訳ない気もするけれど。




さすがに、ショックだった。


先生が、私との『はじめて』を吉川君に話しちゃってた事。


もちろん、悪意はないって思ってる。


『仲良し』の内容までは話していないのだってわかってる。


私だって美羽ちゃんにちょっと話しちゃってるし。



でも、内緒にしていて欲しかった。


私がどんな気持ちで『コウノトリ飛来回避措置』をお願いしたのか。


先生も理解しているからこそ、吉川君に話しちゃったっていうのはわかる。


それだけに、先生を責めちゃいけないのかも知れないけれど。

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