ピュリファイ:お金がない!
ゆりさんは、あわてて、続けた。

「この手紙によると、なんかあたしたち、やらなきゃいけないことが、あるみたい。

 むぎちゃ、ご馳走様でした。

 ちょっと、トモの家に行ってきます。

 すぐ、戻ります」

あたしたちは、そそくさと、おばさんの家を出た。

ゆりさんは、あの赤い小さな箱を、大事に抱えたままだった。

ちょっとの間も、目を離したくないみたい。

そんなに大切なものなんだ?
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