蜜に恋して
「香椎君も大変みたいね?」
「…ぜんぜん?」
ユキナが楽しそうに声をかけてきたものだから、
いらっときた俺はそっけなく返した。
「ま、何でもいーけど蜜傷つけないでね?
あーでも香椎君的には今の状況が蜜を守れる最善作だと思ってるのかなぁー?」
にやにやしながら話すユキナをキッと睨みつけた。
「うっ、そんな怖い顔しないでよぉ。とりあえず蜜家まで送ってくれる?私はみのりんのこと何とかするから…」
各々立ち上がり始める様子から、今日は本当にこれで解散のようだ。
と、寝ているであろう蜜を見ると、ぼーっとした表情で俺を見つめる蜜がいた。
「うおっ、起きてた?」
(このアングルやばいかも…)
うっすら色付いた頬に、はだけた服のせいで上から見下ろす陸にとっては思ってもみない絶景だった。
「起きてるお?」
お?
起きてる…お?
「みつ?あいうえおって、いってみ?」
「あいゆえよ〜っ!!」
にへっとかわいく笑う蜜は、今期最大のモンスター到来と陸に思わせた。