蜜に恋して
陸の部屋のベッドには蜜と陸。
やましさのかけらは0に等しいが、客観視した場合はいかに。
…胸のドキドキがおさまらない。
陸ってば、何考えてんだか。
いや、寝てるんだから何にも考えてないか…。
ってもうっ、どうしたらいいのよっ!!
「うぅ…。馬鹿りくぅーっ!!」
そう私が呟いた途端、陸の目がパチっと開いた。
そしてその視線が私のものと絡み合う。
「…。」
「…。(ヤバイ)」
寝起きの陸は意味が分からず、あぁそうかこれは夢の続きか、と思いもう一度目を閉じたものの
徐々に戻ってきた意識と胸の中にあるリアルな感触にまた目を開き、蜜を見つめた。
「…み、つ?」
「り、りく…。」
ポカンとそのありえない光景に口を開ける陸に、
その距離、体制ゆえに恥ずかしさが上り詰めた蜜の目にうっすら涙が滲む。
「り、りく、はなして…?」
なかなか緩まない陸の手にとうとう根をあげたのは蜜。
陸も無意識だったゆえに気づかなかった自身の行為に驚きつつも
ぱっと手を離した。