Love Slave
ガラ・・・・・


ばしんっ


「痛いっ」


お腹に現代文の教科書が飛んできた。思いっきり入った。
クラス全員が構えていた。もしかしたら、生徒会に新規加入時以上かもしれない。


「アンタって本当に最低!!」


「本当に生徒会の仕事こなしているのか?」


「逆ハーになって調子こいてんじゃないわよっ」


バシバシ バンバン!!


「う・・・わぁ・・・・」


どんどん教科書やら筆記用具やらが私を標的に飛んでくる。
私は腕を十字にさせてガードするが、これではいつまでももたない。


「出ていけ、出ていけ!!」


このままクラスメイトの言うとおりにした方がいいかもしれない。もう身の安全が・・・・。


どんっ


誰かが私の盾になってくれた。すごく大きい。クラスのみんなもどよめきだす。
誰だろう、こんな私を守ってくれたのは。


「要様!」


「椚要様よっ」


「椚先輩・・・・・?」


椚先輩はギロッと見下したようにクラスを見回す。まるでブリザードにやられたみたいに凍りついた。会長並みの眼力を彼は持っていた。
一瞬で私を襲撃するのを止める。


「・・・行くぞ」


「え・・・・・・」


何も説明がないまま、教室を出ていく。ぐいぐいっと引っ張られて連れてこられたのは生徒会棟。
2階に上がってすぐのところ。ここは訪れたことない。鉄の大きな扉を開ける。


たくさんの機材が並んでいるところだった。防音設備もすごい、本格的なものだった。


「ここって・・・・」


「・・・生徒会の放送スタジオだ」
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